ツクイヨシヒサの「必筆!仕事人」

マンガ評論家&ライターのツクイヨシヒサによるブログです。酸っぱいブドウの酸っぱさについて、主に語っていきたいと思います。今後ともよろしくお願いします。

2007年09月

スゲェぜ、浅田次郎

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『天切り松 闇がたり1 闇の花道』(浅田次郎著/集英社文庫)


じつは浅田次郎って食わず嫌いっていうか、
『極道放浪記』はまあまあ面白かった記憶があるんだけど、
『鉄道員』がいまいち胸に来るものがなくて、
その後の「ザッツ・泣かせの次郎!」みたいなのは正直、食指が動かなかったんですよ。
映画で『壬生義士伝』観たぐらいですかね。


でも何気なく読んでみた、この『天切り松』シリーズは面白かった!

これだけ時間を忘れて読んだ小説は久しぶりだ! (* ̄∇ ̄)/ スバラシイ

 これだけ仕事を忘れて読んだ小説も久しぶりだ! ∠( ̄◇ ̄*) ヨッダメ人間


もっと早く読んでればよかったです。



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『天切り 松闇がたり2 残侠』(同上)


簡単にどんな話か説明しますと。。。

物語はまず、現代の留置場から始まります。

そこに村田松蔵と名乗る職人風の老人が入ってくる。

小柄ながら異様な貫禄を持つこの老人こそ、何を隠そう
大正ロマンの花咲くお江戸を賑わせた義賊、
「目細の安吉一家」の天切り松その人だった。。。


この天切り松のジイさんが毎回、義理と誇りに生きた
安吉一家のエピソードを若い犯罪者や警察官に
闇がたりで聞かせていくという短編集になっています。

大正ロマン風「千夜一夜物語」って感じですかね。


でも、その語り口がいいんですよ。
江戸言葉がじつに軽妙で、小気味いい。

「俺の名前ェは、村田松蔵。そんなこたァどうでもいいが、
 天切り松といやァちょいとは名の知れた盗ッ人だ。天切りたァ、
 大江戸以来の夜盗の華。ケチな所帯にァ見向きもせず、
 忍び返しに見越しの松、長屋門に車寄せてえお屋敷ばかり、
 夜に紛れて屋根を抜く、富蔵、藤十郎、鼠小僧の昔から、
 一子相伝、親分から子分へと奥義を伝えた荒技でえ」


ってなもんです。

で、この現代の語りと、松蔵ジイさんの少年時代の回想シーンが
交互に登場して、物語が進行していきます。



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『天切り 松闇がたり3 初湯千両』(同上)


その少年・松蔵が見てきた目細の安吉一家というのが、
これがまた、じつにどの人間も魅力的です。

●目細の安
 財布から金だけを抜き取って戻すという神業「中抜き」を身に付けたスリ。
 普段は縁なしメガネをかけたモダンな紳士だが、義理人情に篤く、筋道を尊ぶ。
 二千人の子分を持つ仕立屋銀次の跡目と世間が認める器の大きい人物。
 
●説教寅
 一家の小頭(かしら)。西郷さんを寸詰まりにしたような風貌。
 悪どく儲けた商家や、薄汚れた政治家・軍将校の家などに押し入り、
 金を奪った上、「かくかくしかじか、オマエの悪事で困っている人がいる」
 と説教をする。気っ風のよさと、義侠心の強さは一家のなかでも一番。

●黄不動の栄治
 映画スタアのような見た目に似合わぬ、頑固一徹の職人肌。
 松蔵が屋根に穴を開けて金品を盗む「天切り」を覚えたのは、
 彼の影響。技の師匠でもある。歌舞伎であれば「一枚目」の役どころ。

●書生常
 普段は帝大生を装い、世のなかを欺く天才詐欺師。その鮮やかな
 計画立案もさることながら、変装や声色も得意で、「百面相」の
 二ツ名も持っている。一家のなかでは松蔵に次いで若い。

●振り袖おこん
 一家の紅一点。玄人の前からスリをする「玄の前」が得意技。
 彼女が女性ばかりを狙うため、大通りから振り袖が消えた
 というのが二ツ名の由来。妖艶な美女だが案外、純情な一面も。




ちょっとマンガちっくなところが、またいいんですよね。

文学的とか哲学的とかこっちに置いといて、
何遍でも読んで楽しみたい本です。


コレ読んで浅田次郎って文章がうまいんだなー、とつくづく思いました。

ナメてるつもりはなかったんですが、ホントすいませんでした。 <(_ _)> ペコリ



第一巻の『~闇の花道』にある銀次の跡目相続から、
おこんの復讐の結末までのくだりは、ホント最高なんで読んでください。

こういうのを国語の教科書に載せて、子どもたちに読ませるべきなんですよ。まったく。

『封印作品の闇』を読んだ

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安藤健二著『封印作品の闇』


メディアに封印されてしまった作品を取り上げ、
その原因を追及するルポルタージュ、
『封印作品~』シリーズの最新文庫版です。

今回の本では、
『キャンディ・キャンディ』
『サンダーマスク』
『ジャングル黒べえ』
『オバケのQ太郎』
の4作品を取りあげています。


じつは著者の安藤健二氏とは、以前に
『週刊SPA!』で取材させていただいたことがあります。

とても真面目な方で、
もともとは産経新聞の記者をされていたそうです。


「封印作品」というテーマのディープさから、
おそらくヲタクっぽいとか、アングラっぽいイメージを
持たれることが多いと思うのですが、
本人はまったくそんな感じはありません。
著作の中身も本当に骨太なルポルタージュです。


膨大な資料の収集・調査、自分なりの仮説・推測、
当事者や周辺関係者へのアプローチ・取材、
導き出された事実に対する検証・結論。

扱っている題材こそ、マンガやテレビ番組など、ソフトなものですが、
安藤氏自身は非常に硬派なジャーナリストであることが内容から伝わってきます。


何ていうか、読者に対して真摯なんですよね。
ヘタなウケ狙いやサービスをしない代わりに、
ツマらない妥協や手抜きもしないというか。


同じ出版人として、こういう人の本が売れてほしいなーと思えました。


というワケで、気になる「封印の理由」については、自分の目で確かめてください。


ちなみに、会ったことある人だからホメてるわけじゃないですよ。
つまらなかったら、わざわざこんなの載せずに無視しますもん。

ナイス・ファインエラー

土曜日の野球で、レフトの守備についていたときのこと。

キーンッ!

来た、フライだ、タッタッタッ。。。よし、取れる! (`・ω・´) シャキーン

 ガツッ! ゲッ、つまずいた。

 トウッ! 前まわり受け身。。。ホッ、成功。





。。。。。。。。。キョロキョロ







ま、まさかの「えあーヨシ○ラ」!! Σ ( ̄ロ ̄lll)







コレが寄る年波ってヤツなのか!?

NO~ッ!!

「廊下(老化)は慌てずに!」 ( ̄∇ ̄; )

    ↑こういうことを言いたがる時点でアウト。


違う、きっとアレだ。脳腫瘍とか、そういうアレだ。

チクショウ、病魔め! でもオレは負けんぞ。

あのときサンダースに打たれた借りを返すためにも、
オレはまだマウンドから降りるわけにはいかないんだ!



妄想乙 (/ ̄ー ̄) オマエ、ピッチャーじゃねーし。

話心の素(わごころのもと)

よくある、この痴漢のニュース。。。

「12日午前9時ごろ、JR東海道線の電車内で痴漢をはたらいたとして、神奈川県横浜市泉区の文具メーカー「コクヨ」社員・神崎卓容疑者(30)が逮捕された。(livedoorニュースより)」


よく読んでみると、結構バイオレンス。


「神崎容疑者は東海道線車内で被害女性の右胸を触り、女性に腕をつかまれたとところ、いきなり女性の顔面を殴りつけた。さらに神埼容疑者は、横浜駅で取り押さえようとした駅員の右腕に噛み付き、現行犯逮捕された。(前同)」


女性を殴って、駅員に噛みつくってのはスゴイね。

でも、話はこれだけじゃ終わらないんですよ。

この神崎容疑者、何でも
「ニンテンドーDS向けソフト『話心の素(わごころのもと)』の開発スタッフ(前同)」
なのだそうです。

で、そのソフトっていうのは、
「『話す』コミュニケーションを苦手とする社会人のための、『話し方トレーニング』ゲーム(Amazon 紹介文より)」
だとのこと。


育ってねーよ、話心っ! ヾ(・・;) 殴っちゃったよ!



もしかして、自分のために作ったのか?

つかこうへい氏の台本

つかこうへい氏が自らの台本をネットにアップしていて、
あちこちで話題になっていますね。

事務所のオフィシャルHPにあるのですが、
なんと、、、

非営利なら許可申請も使用料も不要で使ってOK

なんだそうです。

アマチュアでも
「2000円~3000円でやる小劇場や学生さんの
 小さな劇団等の方の上演料はいりません。
 自由におやり下さい。お知らせだけ郵送で
 くだされば結構です」
という。


しかも、
「高知の劇団でしたら『熱海殺人事件』も
 桂浜を舞台に『桂浜殺人事件』とされる
 といいと思います」
とのことで、加工まで認めているそうです。


スゴイッ! エライ人だ! ヽ( ̄▽ ̄)ノ

 何か久しぶりに「立派なオトナ」の話を聞いた気がする!!


次世代の後継者を育成するどころか、
年端もいかない子どもから小銭を巻き上げる
ことしか考えてない、アホな著作権者たちなどは
ちょっとは見習うべきだよね。


あと著作権管理団体とかね。

あと著作権管理団体とかね。

あと著作権管理団体とかね。



とりあえず3回でいいか。( ̄ヘ ̄)
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【 ツクイヨシヒサ 】


マンガ評論家&ライター。1975年生まれ。書籍、雑誌、ムック、インターネットなどで活動。

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●著書「あだち充は世阿弥である。──秘すれば花、『タッチ』世代の恋愛論」(飛鳥新社)発売中。

  


●編著「ラストイニング 勝利の21か条 ─彩珠学院 甲子園までの軌跡─ (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)」(小学館)発売中。

  


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