ツクイヨシヒサの「必筆!仕事人」

マンガ評論家&ライターのツクイヨシヒサによるブログです。酸っぱいブドウの酸っぱさについて、主に語っていきたいと思います。今後ともよろしくお願いします。

2009年11月

『タッチ』世代の証明データか?

栄光ゼミナールが2009年10月、
小学生の子どもを持つ親に向けて行ったアンケートのなかで、
「子どもの頃にどんなアニメに影響を受けたのか」という設問があったようです。


 アニメまたはマンガで、あなたの夢や人生に影響を与えたものを聞いたところ、(中略)80年代放送開始作品では、「タッチ」が32.0%でトップ。男女別で見てみると、男性は「北斗の拳」(34.4%)が最も多く、次いで「タッチ」(30.0%)、「ドラゴンボール」(28.8%)という結果に。女性では「タッチ」(34.0%)、「Dr.スランプアラレちゃん」(24.8%)、「風の谷のナウシカ」(24.2%)だった。
 「男女ともに80年代よりも70年代作品からの影響が大きく、また『タッチ』は性別を問わず大きな影響を与えていた」(栄光ゼミナール)としている。(エキサイト・ニュースより)



ちなみに、このアンケートの対象年齢は35~45歳の男女だそうです。
オレが自著のなかで規定した『タッチ』世代とピッタリ符号してました。



・「80年代放送開始作品では、「タッチ」が32.0%でトップ」

・「『タッチ』は性別を問わず大きな影響を与えていた」



この世代が、あだち作品の影響を強く受けて育ったということが、
これでまた1つ証明された……と言っていいんじゃないかと。 (^_^)




あだち充の雑学(5)

あだち充マンガの雑学(5)
【『タッチ』から16年後の明青学園が登場】




今回は、ボクシングマンガ『KATSU!』の話です。

と言っても、中身は『タッチ』に登場する明青学園のネタです。

どういうことかと言うと、
この『KATSU!』の第29話「いいから誓え…」の回の冒頭、
ラジオから「その後の明青学園」の様子が聞こえてくるのです。

以下、引用です。

「ライト追いつきました、スリーアウトチェンジ
 剛腕、上杉を擁し全国制覇して以来、
 じつに16年ぶりの甲子園出場は一塁側、
 東東京代表 明青学園──

 3点リードのまま 試合は終盤7回、
 追う法海大六高の攻撃に移ります!」



というわけで、
・『KATSU!』で描かれている世界は、『タッチ』の16年後の未来である。
・達也が甲子園で優勝してから、明青学園は一度も甲子園まで辿り着けなかった。
ということが、明かされています。

なにげに対戦相手が、『タッチ』にも登場している
法海大六高だという点にも個人的には注目したいですね。

↓詳しくはこちら。
http://tukui88.blog81.fc2.com/blog-entry-155.html


では、また次回。




あだち充の雑学(4)

あだち充マンガの雑学(4)
【『H2』に登場する3人目の〝ヒーロー〟】



そろそろ『タッチ』以外の話も、しましょうかね。

今、20代の人たちに話を聞くと、
彼らにとって「あだち充の野球マンガ」と言えば、
『タッチ』ではなく『H2』を思い浮かべる人が多いようです。


この『H2』というマンガは、

「国見比呂(くにみ ひろ)」
「橘英雄(たちばな ひでお)」

という2人の主人公の名前から、
「比呂と英雄。2人の〝ヒーロー〟の恋と野球の勝負の行方は!?」
みたいな煽り文句が、よく付いてきます。


でも、この作品にはもう1人、〝ヒーロー〟が登場してます。
甲子園の選抜優勝投手、「広田勝利(ひろた かつとし)」です。

名字の「ひろた」のなかに「ヒーロー」が隠れています。

彼は比呂や英雄に匹敵する才能を持ちながら、
「勝利」への欲に埋もれ、〝ヒーロー〟の座から滑り落ちていくという役柄。


そう考えると、なかなか意味深いキャラクター名です。



あだち充の雑学(3)

あだち充マンガの雑学(3)
【作新学院・江川卓と『タッチ』の意外な関係】



あだち充が、甲子園の元祖怪物・江川卓の熱烈なファンだった
ことはよく知られていますが(もしかして、そうでもないのか。。。?)、
その影響がじつは『タッチ』の作中にも表れています。


高校2年の夏の甲子園予選。
明青学園は、優勝候補の一角である勢南高校と激突します。

試合は、明青・上杉達也と、勢南・西村勇の両エースによる投手戦に。

延長11回裏、途中から振り出した雨の中、満塁のピンチを背負った達也は、
4番の西村に2-3から高めのボール球を投げ、1ー0で押し出しサヨナラ負け。
最後のボールは、高めが好きな西村が、
手を出すことすらできない渾身のストレートだった。。。


というのが『タッチ』の中で描かれた話なんですけど、
これって、江川が甲子園で最後に負けた試合と、とてもよく似ています。


江川が、現実の甲子園で敗れた試合というのは、こんな内容でした。

高校3年の夏の甲子園2回戦。
銚子商業と当たった作新学院の江川卓は、
無失点のまま延長12回裏まで投げ続けるものの、
途中から振り出した雨の影響で制球が定まらず、1死満塁2ー3と追い込まれてしまう。

彼が最後の投球に選んだのは、高めのストレート。
これがストライクゾーンを外し、押し出しのフォアボールでサヨナラ負け。
甲子園をあとにすることになった。



ね、そっくりでしょう。

・「0-0」のまま、延長に突入する投手戦。
・途中から雨が振り出し、制球が乱れる。
・満塁2-3から、高めのストレートで押し出しサヨナラ。


明らかに、江川の最後のピッチングを意識した試合内容だったと思います。




『SPA!』に書評。

現在発売中の『週刊SPA!』11月17日号の
「book & comic」ページに、
『あだち充は世阿弥である。』の書評が載ってます。


小さい記事ですけど、よかったら読んでみてください。





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【 ツクイヨシヒサ 】


マンガ評論家&ライター。1975年生まれ。書籍、雑誌、ムック、インターネットなどで活動。

●ツイッターはこちら↓ https://twitter.com/tukui88

●執筆・取材・講演依頼等のお問い合わせは、下記の【メッセージ】フォームよりお気軽にどうぞ。ご意見・ご感想もお待ちしています。

●著書「あだち充は世阿弥である。──秘すれば花、『タッチ』世代の恋愛論」(飛鳥新社)発売中。

  


●編著「ラストイニング 勝利の21か条 ─彩珠学院 甲子園までの軌跡─ (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)」(小学館)発売中。

  


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