ツクイヨシヒサの「必筆!仕事人」

マンガ評論家&ライターのツクイヨシヒサによるブログです。酸っぱいブドウの酸っぱさについて、主に語っていきたいと思います。今後ともよろしくお願いします。

2010年03月

『足利アナーキー』のはなし

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『足利アナーキー』(吉沢潤一著/秋田書店刊)



オレの地元は栃木県の足利市ってところなんですが、
そこを舞台にしたヤンキーマンガがついに出てしまいました。

まんま実家の近所とか出てて、派手なケンカをやってたりするんでビビります。


作者の吉沢さんも、同じ足利出身の方らしいです。

どんな方なのか、気になります。


このマンガは結構、注目されているようで、雑誌のレビューなんかでも見かけるし、
東京の人からも「足利ってホントにあんな街なんですか?」みたいなこと言われます。


ンなこと言われてもねアンタ、マンガなんだから。 ヾ(・ω・o)



ただ、高校時代とか、ヨソから転任してきた先生が、
「オレは足利だけは来たくなかった。生徒も大人もキライ。タチが悪いから」
とか、子どもたちの前で平気で口にしてましたね。
ハタから見たら、どうもそういう土地みたいです。


ちなみにマンガの冒頭にある、足利の説明は↓こんな感じ。

 フランシスコ・ザビエルが「坂東の大学」と呼んだ
 日本最古の学校 足利学校がある ここ栃木県足利市・・・

 あしかがフラワーパークでは樹齢約140年の藤が517m2もの面積で咲く
 日本一の・・・否・・・世界一の藤が今もすくすくとつるを走らせ 珊珊と花を咲かせている・・・

 人口約15万8千人のここ足利市は 華々しい歴史のある土地である反面・・・
 中途半端に栄えている中途半端な田舎であり・・・
 そんな足利の現状は ザビエルも失笑してしまうほどの
 中途半端な不良や阿婆擦れや田んぼの天国・・・つまりどこにでもある田舎・・・




あー、まあ、その通り。 (゜゜)(。。)(゜゜)(。。) ウンウン


この「中途半端」っていう言葉に込める、足利人の思いって強いんじゃないかなぁ。

あんた電子書籍をどう思う?

最近、あちこちで「キンドルがどーした」「アイパッドがこーした」と聞こえてくるので、
とりあえず現時点でオレが思っていることを何となく書き留めておこーかなー。

何か、そんなこと書くと業界人のヒトみたいですね。
でも、まあ、業界人のヒトじゃないという理由も特に思い当たらないので書いちゃうのですよ。


ただ、丁寧に記述するとどうしても長くなっちゃうんで、もうかなり要約して言っちゃいますね。


    わからないヤツはドンドン置いていくぞぉー (◎□◎‐)/ Σ ビシッ!

            ((¢(。。;) (; 。。)¢))) ヤバイお、ココは試験に出るお。。。



では、、、


●まずは、アマゾンやアップルなど「黒船側」の勝利&敗戦ポイントから。

 こうすれば勝つかも、こうなれば負けるかも、という点を(エラソーに)挙げてみます。


[黒船・勝利フラグ]
・印刷&流通でコストカットした分を優秀な編集者の獲得に注ぎこむ。
・デジタルという身軽さを生かし、独自の価値観で意欲的なヒット作を生み出す。
・端末無料配布、有名マンガの移籍、人気タレント使用など、普及に向けた資本のスクラム投下。
・買った本をネット上の中古書店に売れる、全文から単語を検索できるなど、電子書籍ならではの特典。
 

[黒船・敗戦フラグ]
・印刷&流通でコストカットした分を安易な価格競争に回し、粗製濫造へ向けて猛ダッシュ!
・権利切れの小説や、過去のヒット作をかき集め、作品数だけ増やすが、中身はスカスカ状態。
・端末の胴元になってアコギに儲けようとし過ぎて、版元や著者にソッポを向かれる。
・プラットフォームが一定にならない、端末が軽量化されない、購入の手続きが煩雑など、ハード面の不備。



●逆に、既存の「日本出版幕府」の勝利&敗戦ポイント。


[日本出版幕府・勝利フラグ]
・面白い本を作るノウハウ、それを可能にするスタッフは確保しているので普通にやっていれば勝てる(願望込み)。
・限られた売り場での縮小再生産から、デジタルを加えた新規拡大路線への発想の転換。
・電子書籍の印税を考えると、やはりライターの原稿料を増やさないと対抗できないのではないか(願望込み)。
・露骨な国内での護送船団方式に走らないで、読者の最大幸福ありきで考えたほうが結果的には得しそう。



[日本出版幕府・敗戦フラグ]
・今まで外部スタッフを泣かせてきたツケが一気に回り、慢性的なマンパワー不足に陥る。
・自転車操業のひずみをモロに受けていた若い編集者たちが、黒船側に亡命する。
・既得権益を守ることだけに汲々とし、ジャスラックの二の舞となり、読者に見捨てられる。
・電子書籍は「紙の付随物」という認識が抜けず、それぞれに独立した戦略を用意できない。




●まとめ

この業界って、過去にも

「ブログが出版を変える! これからはみんなが著者になるんだから、
 その中から面白いものだけ本にすればいい」

とか、

「ケータイ小説がキテる! 今の若いコは紙なんかより、
 パソコンやケータイで活字を読む時代だ」

なんて言って騒いだり怖がったりしてたんだけど、いつの間にか、
そうした新媒体のほうが自分のほうから勝手に「悪貨が良貨を駆逐する」状態にして読者を逃がし、
ブームを一過性のものにしてくれたおかげで、救われてきた感があるわけですよ。


今度の黒船も、その辺りの戦略をどこまで練ってくるかがカギになると思いますよね。



まあ、どちらに転ぶとしても、志のあるライターや編集者たちにとっては
今より選択肢が増えるわけだから、いいことだと思うんですよ。


な~んて、人ごとみたいに言ってますけど、じゃあね、
オレは尊王攘夷で行くのか、佐幕開国で行くのか、ってことですよ。

坂本龍馬じゃないけど、ワクワクしちゃいますなー。

願わくは、吉田松陰や勝海舟のような大きな視野と熱い心を持った編集者と、
運命の出会いを果たしたいものです。



書き手なんてのはね、結局、いい編集者といい仕事して、気持ちよく読者のもとに本を届けたいだけなんですよ。
ええ、そうなんですよ。




 ( ̄へ  ̄ 三  心はいつもヘイヘイホーぜよ
tsu-c2-2



   
【 ツクイヨシヒサ 】


マンガ評論家&ライター。1975年生まれ。書籍、雑誌、ムック、インターネットなどで活動。

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