ツクイヨシヒサの「必筆!仕事人」

マンガ評論家&ライターのツクイヨシヒサによるブログです。酸っぱいブドウの酸っぱさについて、主に語っていきたいと思います。今後ともよろしくお願いします。

2010年09月

大河『龍馬伝』雑感(2)





録画を溜めまくってしまい、
タイムリーな『龍馬伝』の話題に追いつけない!、という状況が続いてます。

まだ第3部の最初のほう、第32話「龍馬の秘策」までしか観てません。


ので、以下はそこまでの時点での感想ということをご理解ください。ペコリ。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


ネットなどの評判を見ていると、最近の内容は「史実とあまりに異なる!」と
ご立腹の方も多いようだが、個人的には拡大解釈の範疇にしてあげようよ、と思っている。


そんな面倒くさいことをしなくても、もっとテキトーに流すこともできるからだ。


某『天地人』みたいにね。



よくわからない史実や歴史の空白なんて、スルーしたほうがホントはラクなはずなのだ。

放映時間なんて、主人公が出会ったオンナにグチこぼしてるだけでもツブれるもんだし。



某『天地人』みたいにね、某『天地人』みたいにね、某『天地人』みたいにね。



もういいですか。そうですか。




例えば、第3部のスタートの回(第29話「新天地、長崎」)で、
長崎の引田屋で長州と薩摩と龍馬たちが鉢合わせするシーンが登場する。


まー、あり得ない。


だけど、こういう場面をドラマの終盤にピタリと
合わせるのって、想像以上に難しいことだと思う。

しかも、そのやりとりが後の薩長同盟の暗示にもなっているという。


やっぱり面白いよ、『龍馬伝』。




第3部が始まって特に印象に残ったのは、
大浦慶ら長崎の商人たちが麻雀やっているところ。


それを見て龍馬は、

「長崎の商人たちはお互いに嫌い合っていても、
 麻雀卓を一緒に囲んで遊びに興じるのはエライ!」

みたいなことを言って感動するのだが、
じつはその前後で、高杉晋作が中国将棋(軍人将棋?)、
トーマス・グラバーがチェスをやっているシーンが登場している。


好戦的で戦略好きな高杉、
肌の色で敵味方を区別するグラバーという、
各々の性格を将棋とチェスで表現し、
麻雀卓を囲む長崎商人たちと対比させているのだろう。


こういう部分のちょっとした作り込みって、大事だよね。


なくても話が成立するだけにね。


某『天地。。。。。。あ、もういいんだった。



(追記)
高杉晋作に伊勢谷友介さん、というキャスティングもよかったと思う。


似てるよね、高杉に。


会ったことないけど。





会社HPをリニューアル!

hp.jpg



会社(アンド・エーシー)のホームページをリニューアルしました。


数週間前から、原稿の合間にコツコツと進めていたのです。


たまには文章を書く以外の脳みそも使わないとね。

いい気分転換になった。




ブラック基調を選択してみたのだけど、いかがだろうか?



●「アンド・エーシー 公式ホームページ」


↑クリックするとリンク先が開きます。

最近、読んだ本(歴史ネタ)

では、どうぞ。




『信長の棺(上・下)』(加藤廣著/文藝春秋刊)


信長の足跡を今に伝える『信長公記』。
その作者である実在の武将・太田牛一を主人公にした、信長暗殺ミステリーです。

とても楽しんで読めました。

「信長の死の真相」と「太田牛一のモノ書きとしての苦悩」という、
タテ軸とヨコ軸がバランスよく描かれており、自然と物語の中に引き込まれます。

文体も読みやすく、文章の構成も非常に上手い、という印象を受けました。


「権力者の嘘まじりの手柄話を書くのは、もうこりごりだ」という牛一の心の叫び。
この一言に、身につまされる思いのする作り手は1人や2人じゃないでしょう。

読んで絶対に損のない作品だと思います。






『悪党の戦』(金重明著/講談社刊)


鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて活躍した、楠木正成の物語です。

個人的に、この時代はもっともっとドラマティックに描けるし、
そういう作品を読みたいと思っているんですけど、これはあまりオレの肌には合いませんでした。。。

まず『悪党の戦』というタイトルをつけているのに、悪党らしい戦闘シーンが少ない。

「恐れを知らない悪党どもが、敵をバッタバッタとなぎ倒す痛快戦場活劇!」
みたいなのを勝手に想像してしまったので、落差が大きかったです。

その代わりに多く登場するのが、密教的な世界(?)を描いた宗教シーン。
こちらのほうに興味がないと、むしろ読み進めるのは困難かと。






『それからの三国志』(内田重久著/文芸社刊)


諸葛亮孔明が死んだ後、魏・呉・蜀の三国はどうなったのか。

ご存じ『三国志』の「それから」にスポットを当てた一冊。


ドラマを楽しませるというより、資料を小説風に読み解いていくというイメージの本ですけど、
何となく尻すぼみになったままの〝脳内三国志〟を整理するにはちょうどいい作品だと思います。

・姜維の名前は知ってるけど、どんな活躍をしたのかは具体的に知らない。
・蜀が滅んだ後、魏と呉がどのように戦い、決着がついたのかわからない。
・最終的に司馬氏がいかなる手段を用いて魏を乗っ取ったのか、うまく周囲に説明できない。

なんていう人は、読んでみる価値はあると思います。



とりあえず、今日はそんなところで。



  
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【 ツクイヨシヒサ 】


マンガ評論家&ライター。1975年生まれ。書籍、雑誌、ムック、インターネットなどで活動。

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●編著「ラストイニング 勝利の21か条 ─彩珠学院 甲子園までの軌跡─ (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)」(小学館)発売中。

  


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