『ラストイニング』35巻が発売中です。

帝大一高との試合も中盤を迎え、ますます白熱!


今巻で強く印象に残ったのは、帝大一高・赤羽監督

特に、彼の指揮官としての性質 です。


赤羽監督は、試合が始まってもどこか飄々とし、つかみどころがありません。

大豊高・大友監督のように明るく選手を鼓舞するわけでもなく、
聖母学苑・桐生監督のように冷ややかに試合を分析し尽くすわけでもない。

ブツブツとボヤくように試合展開を眺めては
時折、「なあ?」と隣にいる選手に同意を求めるだけ。

たまに、チームのネジを巻くために気合いを入れることもあるが、
基本的には鳩ヶ谷と同じ、「相手の嫌がることをする」タイプ。

鳩ヶ谷本人も、前巻で
「どっちがキツネかタヌキか分かんねーけど、とんだ化かし合いになってきた」
とグチっており、赤羽監督も
「策士だからね、鳩ヶ谷クンは………」
と煙たそうに呟いていました。

お互いに似た者同士であるため、相手の性格の悪さがよくわかってしまうわけですね。

というわけで、ここまでは

赤羽監督=名門校を率いた鳩ヶ谷圭輔


という感じなのかなと思っていました。


しかし、この35巻では鳩ヶ谷ともまた少し違う、
赤羽監督の特筆すべき性質が見えてきました。

それは、運や流れを重視する姿勢です。

以下は、試合中盤〜後半にかけて起こったプレーの状況と、赤羽監督の対応をまとめたものです。


(状況)攻撃時、いい当たりが野手の守備範囲に飛び、悪い当たりがヒットになる。
                ↓
(対応)警戒して外してくる初球を強引にヒッティング。結果はヒット。


(状況)前打席で一死一、三塁からゲッツーを打った1年の木場が、再び同じ場面で打席へ。
                ↓
(対応)「打って欲しい時に打つ!!」イメージがあることを理由に強攻。タイムリーヒットに。


(状況)最終回、満塁策で塁を埋め、左打者との勝負を選んだ彩学ナイン。
                ↓
(対応)「ああ落ち着かれると揺さぶりかけたくなる」と、右打者を代打に。犠牲フライ。



上記のような采配から、同じ勝負師タイプの監督ではあるものの、

鳩ヶ谷が、己の手練手管を用いて、わずかな勝機を引き寄せる
〝策略家〟気質なのに比べ、

赤羽は、勝負の運気を読み取り、相手に流れを渡さないようにする
〝ギャンブラー〟気質 であることがわかってきました。


試合は大詰め。九回裏、帝大一高の攻撃。
二死一、二塁。点差は1点。
彩学は、このピンチをしのぎ、勝利を手にすることができのか!?

というところで、次巻へ続きます。