ツクイヨシヒサの「必筆!仕事人」

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新連載は『タッチ』の続編?/あだち充

タッチ (14) (小学館文庫)



5月12日に発売の『ゲッサン』6月号(小学館刊)から、あだち充の新連載『MIX(ミックス)』が連載開始
その舞台が 26年後の明青学園 であることが判明し、話題になっています。


yahoo!ニュースのトップに掲載され、2ちゃんのまとめサイトにも取り上げられるなど、
あだち充&『タッチ』の威光がいまだ健在であることがうかがえます。


関連記事/あだち充:「タッチ」の26年後舞台に続編的新連載(まんたんWEB)




さて現在、明かされている情報のなかで、注目すべきポイントは以下の5つです。

1、物語の舞台が上杉達也たちの母校・明青学園であること。
2、『タッチ』から26年後の世界であること。
3、2人の兄弟が主人公であること。
4、主人公たちは野球をやっていること。
5、タイトルが『MIX(ミックス)』であること。



まず「1」ですが、読切「ゆく年くる年」のときにも述べた通り、
各作品における、あだち充ワールドはつながっているので、
『タッチ』の明青学園が再登場すること自体は、不思議なことではありません。

『KATSU!』のなかに明青学園が登場したときは、
『タッチ』から16年後という設定だったので、「2」の事実から単純計算すると、
今回の作品は『KATSU!』から10年後の世界を描いている、ということになります。


で、それらと「3」「4」を併せて「『タッチ』の続編キター!」となるわけですが、
じつは今作が続編であるとは、まだ誰も公式に明言していません。

あくまでも「続編なのか!?」といった程度の表現にとどめています。


ここで最重要視したいのが、「5」の『MIX(ミックス)』というタイトルです。



タッチ (11) (小学館文庫)




『MIX(ミックス)』という単語は、いったい何を意味しているのでしょうか。

この解釈によって、推測される内容は大きく変わってくると思います。


例えば、
「上杉達也と浅倉南が結婚し、双子の兄弟が生まれた」→だから、MIX(ミックス)

『タッチ』の恋人同士が結ばれ、二人の血を受け継いだ子どもたちが活躍する物語。

これなら正統な続編と言えますね。

イメージとしては『キン肉マンII世』のような感じです。


少しひねると、
「上杉達也が母親の異なる子どもを2人作り、血筋の違う兄弟が生まれた」→だから、MIX(ミックス)


飛躍はしていますが、例えば達也は南と結婚して長男をもうけたのだが、直後に南が病没。
その後、再婚した新田由加との間に次男をもうけた……とか?
(男の子2人は兄弟だが、双子であるかどうかまでは不明)

達也×南(=新体操の女王)、達也×由加(=新田明男の血)という
血筋の違いがもたらす兄弟の葛藤とドラマ……。


この場合、何となくシティーハンターの続編である
『エンジェル・ハート』に近いノリになりそうですね。



もっともっと極端な発想もできます。

『2人の兄弟は達也&和也の生まれ変わり!
     しかも、他作品のあだち充キャラ総出演!!』


       →だから、MIX(ミックス)!!!


…………とか?

作品の舞台はある種のパラレルワールドで、そこには達也&和也にそっくりな双子がいて、
もちろん和也は事故で死なないし、達也も和也に気を使って野球をやめてもいなくて、
隣町の野球部には『H2』の国見比呂や橘英雄、『クロスゲーム』の樹多村光や東雄平なんかもいて、
『ラフ』の大和圭介や『KATSU!』の里山活樹あたりもチョイ役で顔を出したりして、
あるとき全作品のヒロインたちが大集結しちゃったりもする。


つまり、あだち充版の『大甲子園』が描かれるというわけです。


さすがに、それはないかー。






   
   

あだち充・読切『ゆく年くる年』

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『ビッグコミックスペリオール』(小学館刊)の2012年1月13日号に、
あだち充『ゆく年くる年』が掲載されていますので、ご紹介しておきますね。


巻頭カラー読切となる本作は、
高校生活最後の大晦日を迎えた野球部員たちの青春模様を描いた作品です。

夏の地区予選での行き違いから、
疎遠になってしまったチームメイトの友情と、
チアガールだったヒロイン・奈津子を巡る恋模様が綴られています。



それにしても、掲載誌が『~スペリオール』というのは珍しいですね。

編集部によれば、「あだち充、実は約20年振りのスペリオール帰還」だそうです。

ちなみに、初登場作品は『5×4P』

1992年14号~18号に掲載された短編連作です。

喫茶店「5×4P」の日常を描いた作品で、
4P(ページ)の連載を5回続けたため、
このタイトルが付けられたようです。

ちなみに現在は、あだち充傑作短編作品集『ショート・プログラム2』で読むことができます。



この『ゆく年くる年』で、なかなか心にくいなーと思ったのは、
主人公たちのチームが予選ベスト8で対戦予定だった高校が、
あの「栄京学園」だったこと。


「栄京学園」と言えば、『H2』で天才・広田勝利を擁し、センバツ優勝を果たした学校です。


2011年設定が明記されている本作においても、同校は
春のセンバツを制覇した、という設定になっています。


以前、このブログのエントリー
『タッチ』の明青学園が、16年後の『KATSU!』の中に登場する
という話をしましたが、あだち充ワールドはやはり今もつながっているようです。





   

あだち充『オーバーフェンス』雑感

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今日、発売の『週刊少年サンデー』(22・23合併号)より、
『浅丘高校野球部日誌 オーバーフェンス』が始まりました。
高校野球を題材にした、あだち充の新連載です。


あまり詳しく書くと、ネタバレになるので自粛しますけど、

甲子園、美人マネジャー、頼もしい同級生、情けない上級生、
思春期ならではの父子の葛藤、ほのかに垣間見える恋心。。。


などなど、いろんな意味で「あだちイズム」が全開。

ファンには、どストレートな内容になっていると思います。

個人的にも、とても楽しみながら読めました。
とかく最近のマンガは、「超絶激辛ッ!」とか「悶絶メガ盛りッ!」なんてのに
寄りがちですけど、そこにスッと質のいい和定食が出てきたカンジというか。

和懐石とか和割烹みたいな、高級なヤツじゃない。
かと言って粗悪なジャンクフードでも決してない。
味噌汁を飲んで、「ああ、これこれ!」とホッとする。そんな和定食。



うん、そうそう。うんうん。



。。。。。。伝わらないと。 φ(・`ω´・  ; ) カキカキ




この作品は今後、不定期シリーズでの連載になるようですが、
とりあえず第1回に登場した主要メンバーをメモしておきます。


主人公は事前情報の通り、女のコ。

●瀬里沢みのり(浅丘高校野球部マネジャー)
 =顔は髪をロングにした『クロスゲーム』の月島青葉、
  性格は『ナイン』の中尾百合に似ているかな、という印象。


以下、野球部のメンツです。

●桜井章夫(2番セカンド。キャプテン)
 =ケーキ屋の息子。今作のタッちゃんポジション。顔はタッちゃん。性格もタッちゃん。

●小松崎慎一(3番エース)
 =市民病院院長の息子。『クロスゲーム』の東雄平っぽいキャラ。

●石井巧馬(5番キャッチャー)
 =消防署長の息子。「あだち劇団」不動のデブ捕手キャラ。

●上田祐二(1番センター)
 =市長の息子。設定から察するに、『H2』の木根っぽいスネ夫キャラ。

●矢島勝治(4番サード)
 =大地主である矢島興業社長の息子。顔がちょっと松井秀喜に似た主砲。


高校野球に賭ける彼らの青春ストーリー。
あだちマンガの新しい1ページのスタートです。




あだち充、新連載決定!

『週刊少年サンデー』で連載になる、あだち充の最新作が発表になりました。

タイトルは『-浅丘高校野球部日誌-オーバーフェンス』


気になる内容は、

一癖も二癖もある浅丘高校の野球部員たちを相手に
女子マネジャー・瀬里沢(せりざわ)みのりが
大奮闘するという青春ストーリー(『マイコミジャーナル』より)


とのことで、ファン待望の[高校野球×ラブコメ]になるようです。


スタートは4月27日発売号から。今から待ち遠しいです!





http://journal.mycom.co.jp/news/2011/04/20/002/index.html


プロ野球選手100人が選ぶ「野球マンガ」

1月21日(金)放送の『すぽると!』の特別コーナーで、
「プロ野球選手100人が選ぶ 野球マンガ」ベスト5が発表されてました。


野球好き、マンガ好きとして、これは見逃せません!


気になる結果は以下の通りでしたー。


●第1位 『名門!第三野球部』 18票

名門!第三野球部 決勝直前!!編 (プラチナコミックス)


「ランキングなのに、上から発表かよ!」というツッコミ、ありがとうございます。m(__)m

何ごとも固定観念はいけません。

それにしても『第三野球部』は正直、意外でしたね。

確かに面白かったですよ。

連載当時はオレも、部活の練習で天秤打法のマネをしたり、
目一杯に投げこんだカーブを「今のは50パーセントだっぺ」とか言ってましたしね。


だけど、いわゆる誰でも知ってる超有名作品ってわけじゃない。
こういうランキングで1位になることって、ほとんどなかったんじゃないでしょうか。


しかも、選んだのが現役のプロ野球選手たちというのも驚き。


「アンタたち、小っちゃな頃から
 ずっと第一野球部だったでしょうよ!」
 っていうw


もしかしたら我々、一般人が思っている以上に
彼らのほうが「努力して上手くなる喜び」に共感できるのかも。




●第2位 『ドカベン』 14票

ドカベン DVD-BOX (初回生産限定)



こちらは、もう「ザ・王道」でしょう。

『ドカベン』『大甲子園』から入り、
『一球さん』『球道くん』などを経て、
『野球狂の詩』『あぶさん』へと読み進めていくのが、
正しい日本球児の成長過程というものです。




●第3位 『キャプテン』 9票

キャプテン 1 (集英社文庫―コミック版)



上位に登場した〝努力〟〝王道〟というキーワードから
連想すれば、答えは自ずとこうなるかなと。

野球を純粋にがんばってる姿を描くだけで面白い。

これって単純にスゴイことですよね。




●第4位 『タッチ』 9票

タッチ (8) (小学館文庫)


ここで来ました! あだち充の『タッチ』。

見事、同票の3位タイを獲得です。


ちなみにVTRでは、
和田毅投手(ソフトバンク/29歳)、馬原孝浩投手(ソフトバンク/29歳)、
小谷野栄一選手(日本ハム/30歳)、岩瀬仁紀投手(中日/36歳)、
三浦大輔投手(横浜/37歳)らが登場し、コメントされていました。




●第5位 『MAJOR』 8票

Major―Dramatic baseball comic (27) (少年サンデーコミックス)


5位は昨年、長期連載を終了した『MAJOR』。

比較的、新しい作品のせいでしょう。

前田健太投手(広島)、田中将大(楽天)など、若い選手が推していました。




以上が、上位5作品です。

なかなか面白いアンケートでしたね。


今度はぜひ「今、連載中の野球マンガ」の中から、
プロ野球選手100人が認める作品のランキングを作ってほしいです。





    
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【 ツクイヨシヒサ 】


マンガ評論家&ライター。1975年生まれ。書籍、雑誌、ムック、インターネットなどで活動。

●ツイッターはこちら↓ https://twitter.com/tukui88

●執筆・取材・講演依頼等のお問い合わせは、「ac@andac.jp」よりお願いいたします。

●著書「あだち充は世阿弥である。──秘すれば花、『タッチ』世代の恋愛論」(飛鳥新社)発売中。

  


●編著「ラストイニング 勝利の21か条 ─彩珠学院 甲子園までの軌跡─ (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)」(小学館)発売中。

  


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